二十四節気
芒種 2022年6月6日
・・・芒ある穀類、稼種する時なればなり・・・
稲などの(芒のある)穀物を植える(国立天文台 こよみ用語解説)
夏を6つに分けたうちの3番目の節気
太陽視黄経 75度 9/24番目
七十二候
初侯・・・ 蟷螂生(かまきり しょうず) 6/6 〜 6/10
蟷螂が生まれ出る
次侯・・・腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)6/11 〜 6/15
腐った草が蒸れ蛍になる
末候・・・ 梅子黄(うめのみ きばむ)6/16 〜 6/20
梅の実が黄ばんで熟す
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
芒種とは、米や麦など穂の出る穀物の種をまく時期という意味で、とくに米を指しています
「芒(のぎ)」は、稲や麦の穂の先にある針のような突起のことで、この 「芒」のある植物の種を蒔いたり、麦の刈入れや田植えを行う目安とされてきました
ちなみに、芒があることによって、動物に食べられてしまうことを防いだり、動物の毛に絡まることで、種子を遠くに運んでもらうことができるそうです
農家の人は畑から目が離せなくなる忙しい時期です
米は寒冷に弱い性質をもっていたため、日本では水田に直接種をまかず、苗代で育ててから田植えする方法を受け継いできました
これまで爽やかな風に揺られていた新緑を、やさしく濡らす雨の季節、本格的な梅雨の始まり
一足早く梅雨入りする沖縄では、前回の節気「小満」と合わせて梅雨のことを「小満芒種 (すーまんぼーす)」と言うそうです
梅雨は、本来「ばいう」と読み、梅の実が熟す頃に降る雨を指し、「つゆ」と読むようになったのは、江戸時代頃からと言われています
芒種から数えて5日目、立春から数えて135日目を「入梅」と言い、梅雨入りの目安とし、そこから30日間が梅雨となります
実際は毎年同じ日に梅雨入りが来るわけではなく、地域、気候によって差が生じるため、気象庁の出す梅雨入り宣言が目安になっています
ちなみに、梅雨明けすることを「出梅」というそうです
梅雨の名前の由来は「梅が熟す時季の長雨」という説があり、梅の収穫と重なることからついた名称
そして旧暦ではこの頃は五月だったので、「五月雨(さみだれ)」も梅雨のことを意味し、「五月(さつき)晴れ」は梅雨時の晴れ間のこと(本来は五月の爽やかな晴れのことではないそうです)
梅雨空:梅雨の時期の空一面を雨雲がおおっている空の様子
梅雨ぐもり:梅雨時の曇り空。雨が降りそうで降らない、暗い空
走り梅雨:梅雨に入る少し前に梅雨時のように降り続く雨のこと
送り梅雨:梅雨が明ける頃に降る大雨。雷がおこることもある
紫陽花が見頃となります
移り気という花言葉があるように、紫陽花の特徴は根を張る”土”によって花弁の色が変わること
酸性の土であれば青に、アルカリ性の土であればピンクになりやすいと言われていて、咲き始めは薄く、次第に濃く染まっていきます
日本で見る紫陽花は青が多い印象ですが、それは降ってくる雨が弱酸性であること、降水量の多い日本の土が酸性寄りになっていること、火山地帯で弱酸性の土壌が理由のようです
芒種に・・・
★この時期に見逃せないのは、蛍、暗闇に灯る淡い光は何とも幻想的です
梅雨の晴れ間の夜、きれいな水辺に蛍を鑑賞しにいくのも素敵です、そしていつまでもその環境を守っていくという私達の取り組みも同時に考えなければいけいません
★日本では古来より「6歳の6月6日に稽古を始めると上達しやすい」と言われてきました
指を使って数を数える時に手の平を開いた状態から指を折って数えていくと、6の数字の時に小指が立つ形になります
「小指が立つ」→「子が立つ」→「子供の独り立ち」という意味で6歳の6月6日になったという説です
★6月の第3日曜日は、父の日です、またお中元の手配などもこの時期に進めておくといいかもしれませんね
★梅雨に梅仕事
「入梅」や「梅雨」に“梅”が付くように、この頃は梅が実り熟れる季節
梅の実を、梅シロップ、梅酒、梅干しなどに加工することを梅仕事と呼びます
梅は暑さに負けない体力維持には欠かせません、ぜひ梅仕事を楽しんでみませんか?
芒種のころに心がけること・・・
稲作活動が本格的に始まったり、虫たちが地上に姿を現し始めたり、芒種は様々なことが始まる時期
夏至に向け、エネルギーもピーク、そして夏には芸術、文化、楽観的、自由奔放などの意味を持ちます
自由気ままにに、自分の独自性を出して前に進んでみましょう
芒種の期間の食べ物・・・
トマト
現在では世界で約8,000種類ものトマトがあるといわれています
一年中出回っているトマトですが、初夏に採れるトマトを「冬春トマト」、夏から秋に採れるトマトを「夏秋トマト」と呼びます
日光をたくさん浴びて比較的乾燥した気候の中で育ったトマトは、特に糖度が高く味が濃くなるとされています
トマトの赤色にはリコピンという成分が含まれていて、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養豊富
なかでもこの時期のトマトは栄養価も高いと言われています
梅干し
昔から「梅は三毒を断つ」と言われ、日本人の健康を支えてきました
梅に含まれている成分は、殺菌効果や疲労回復、血液浄化作用などカラダの様々な機能を改善する効果があります
三毒とは『食毒』、『血毒』、『水毒』のこと
・『食毒』食べ物の毒:食べ物に付着するバクテリアなど⇒疲労回復、ダイエット、ピロリ菌の抑制効果
・『血毒』血液の毒:疲労の元になる乳酸など⇒慢性病、肌荒れ改善効果、免疫力アップ
・『水毒』水の毒:水に含まれる雑菌や病原菌⇒むくみ改善
梅干しには
- 焼いた梅干(梅肉)を、こめかみに貼ると頭痛が治る
- 白湯(さゆ)に、梅干しを入れて飲むと風邪に効く
- 梅干し入りのお茶で、うがいをすると風邪を引かない
という言い伝えも残っています
この記事へのコメントはありません。