二十四節気 春 ~穀雨~

二十四節気

穀雨 2024年4月19日

・・・春雨はるさめ降りて、百穀ひゃっこく生化しょうかすればなり・・・

穀物をうるおす春雨が降る(国立天文台 こよみ用語解説)

春を6つに分けたうちの6番目の節気

太陽視黄経 30度 6/24番目

七十二候

初侯・・・ 葭始生(あし はじめてしょうず)4/19~4/23

葦が芽を吹き始める

次侯・・・霜止出苗(しもやんで なえいづる)4/24 〜 4/28

霜が終り稲の苗が生長する

末候・・・牡丹華(ぼたん はなさく)4/29〜 5/4

牡丹の花が咲く

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穀雨とは、「雨降って百穀を潤す」という言葉が語源で、「春の柔らかな雨に農作物が潤う」という意味

この時期に降る雨は、百穀を潤し芽を出させる春雨として 「百穀春雨」(ひゃっこうはるさめ)といわれています

全ての穀物を潤す春の雨で、けむるように降る雨は田畑を潤し、穀物などの生長を助ける時季

少しずつ日差しが強くなり、気温も上がって、種まきなどを始めるのに適した時期なので、農作業の目安にされています

 

春の花が次々と開花し、牡丹やチューリップ、藤なども見頃を迎えます

大ぶりで華麗な牡丹は、中国では「花の王」とされる高貴な花

日本でも美しくエレガントな女性を例える表現として「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という慣用句があります

牡丹は落葉低木なので低い位置で花を咲かせるため、椅子に座っている女性の姿になぞらえたようです

 

鮮やかに街を彩っていた花々は、雨と共にはらはらと散り、日ごとに草花も野菜も、初々しく、青々とした葉を空に向かって伸ばし始めます

この時期は「行く春」という言葉でも表現されるように、過ぎゆく春を惜しむ頃

日によっては、春のコートもいらないくらい暑い日もあり、初夏の訪れを感じられます

 

穀雨のころ・・・

種まきや田植えを始める目安とされ、さあ田植えに取り掛かろう・・・そんなタイミング

この頃に降る柔らかく温かな春の雨は、田畑を潤し穀物を成長させると言われています

若葉萌える新緑の季節、木々の緑も雨上がりは一層色鮮やかです

 

穀雨が終わるころには「八十八夜」が訪れます、2024年は5月1日

「八十八夜」とは、「立春」から数えて88日目にあたる日のこと

3日後に「立夏」をむかえるため、昔から夏の準備をする日とされていました

「夏も近づく八十八夜〜」とはじまる唱歌のタイトルは『茶摘み』、この頃は茶摘みが最盛期を迎えます

八十八は末広がりの字が重なることから縁起が良いとされ、この日に摘み取ったお茶を飲むと無病息災、長生きできるという言い伝えがあります

茶葉の持つ栄養分が冬の間は蓄えられ、春になりその栄養が若葉に行き渡るので新茶にはたっぷりの栄養分があるというわけです

茶葉は摘み取った順番に、新茶(一番茶)、二番茶、三番茶と呼びます

また、農家にとっては「八十八夜の別れ霜」というような言葉もあり、この日を過ぎると、農作物への霜害の心配がなくなるとされ、本格的に農業がはじまります

「八十八」を重ねると「米」という字になるため、この日に農作業をはじめるのがよいとされ、お祝いをする風習もあるそうです

雨が多く、移動性の高気圧と低気圧が交互に通過するこの頃は、湿り気のある空気がもうろうとして霞がかり、ぼんやりと幻想的に見えます

この月を朧月(おぼろづき)といいます

源氏物語に登場し、光源氏と恋に落ちる朧月夜は艶やかで奔放な美女

名前の由来は和歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく(似る)ものぞなき」からきています

 

穀雨のころに心がけること・・・

春の土用と春雨が降る日が多くなり、「湿」を貯めやすくなる時期

胃腸だけでなく気持ちまで湿りやすくなるので、重だるく疲れやすくなります

溜め込まず巡らせ発散

水分の取り過ぎに注意しましょう

 

穀雨の期間の食べ物・・・

タケノコ

タケノコはまっすぐに育つことから、古来より縁起物とされています

タケノコご飯や、朝掘った「朝堀りタケノコ」の穂先を生のまま薄く切り、刺し身にして醤油で食べたり、タケノコの生命力を感じ、食感なども楽しむのもお勧め

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